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国際パラリンピック委員会がIWBFに通告。“車いすバスケ” 東京パラから除外の可能性も

パラリンピックでも花形競技の車いすバスケットボール(撮影:越智貴雄)

 1月31日、国際パラリンピック委員会(IPC)は、国際車いすバスケットボール連盟(IWBF)に対して、2020年東京パラリンピックの実施競技から除外する可能性があることを通告した。

 IPCは2015年にメキシコシティで行われた総会でアスリートのクラス分けの規定を改訂することに合意。各国際競技連盟(IF)には、この規定を順守したクラス分けを行うように通達していた。

 東京パラリンピックの正式競技である22団体のうち、2018年8月の時点でIPCの規定に準拠したクラス分けのルールを有していなかったのは、車いすバスケと車いすテニスの2競技。しかし、車いすテニスはすでにIPCから承認を受けており、残るは車いすバスケのみとなっていた。

 IPCによれば、この数年間、何度もIWBFにIPCの規定に準拠したクラス分けのルールを設け、それを実施するように促し、議論を行ってきたという。しかし、遅々として進まなかったため、今回の通告に至った。

 これに対して、IWBFのウルフ・メーレンス会長は公式サイトで「IWBFが何もしてこなかったわけではなく、IPCの規定にきちんと満たしたクラス分けを行うように、IPCと協力し合いながら努力してきた」と語っている。

 今回、特に問題視されているのは、「出場条件を満たす障がい」に対して、IPCの規定とIWBFの現存のルールに違いが生じている点だ。また、どこまでを「障がい」としてパラリンピックの出場を認めるか、「最小障がい」のボーダーラインについてきちんと定義するように各競技のIFに指示している。これに対しても、満たされていない。

 そのため、車いすバスケが東京パラリンピックで実施されるためには、今年の5月29日までに、障がいが最も軽い持ち点が4.0と4.5の全選手を対象に、IPCの規定に準拠したルールによって改めてクラス分けを行わなければならないとしている。その結果、適合しない選手は、東京パラリンピックには出場することができない。

 また、2024年パリパラリンピックにおいては、現段階では除外することが決定した。しかし、2021年8月末までにIPCの規定に完全に順守したルールに従ってクラス分けを行っていると認められた場合は、除外が解消される可能性がある。

 メーレンス会長は「今後、加盟国に協力と理解をお願いして、東京パラリンピックや将来のパラリンピックで実施できるよう、あらゆる手段を講じる」としている。

 しかし、IPCの規約に基づいたクラス分けを実施するためには、国際クラシファイア(クラス分け委員)によるクラス分けと呼ばれるチェックを受けたうえで、実戦での観察をする必要がある。5人制では東京パラリンピックまでの期間に現在出場権を獲得している各国代表が出場する公式戦はない。

 果たして、どのようなかたちで東京パラリンピックの出場国すべてのクラス分けを実施し、IPCの承認を得るのか。解決の糸口は、まだ見えていない。

(文・斎藤寿子)

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