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「義足ユーザーに走る楽しさを!」オットーボック・ジャパンがHEROs AWARD 2024を受賞

HEROs AWARD 2024授賞式で、プレゼンテーターとしてパラメダリストの山本篤さん(左)がオットーボックジャパン社長の深谷香奈さんへトロフィーを渡す(撮影:越智貴雄)

HEROs AWARD 2024の表彰式が16日、都内のホテルで行われ、義足を使って走るランニングクリニックの活動が高く評価された総合医療福祉機器メーカーのオットーボック・ジャパン株式会社が受賞した。

その他の受賞者は、那須川天心さん(ボクシング)、筒香嘉智さん(野球)、福士加代子さん(陸上)、一般社団法人日本ラグビーフットボール選手会。

会場には、パリ五輪・パラリンピックに出場した選手や過去の受賞者などが多数招待され、華やかな雰囲気の中で表彰式が行われた。

HEROs AWARD 2024フォトセッションで受賞者が並ぶ。(左から)深谷香奈さん・福士加代子さん・那須川天心さん・筒香裕史さん・川村慎さん(撮影:越智貴雄)

オットーボックは、世界各国で義足ユーザー向けの「ランニングクリニック」を開催している。

義足を初めて装着する人や競技大会を目指す選手に、パラリンピック経験者を講師として迎え、走る楽しさと自己の可能性を広げる場を提供している。

また、パラリンピック期間中には義足や車いすの無償修理サービスを提供し、選手が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を支えている。

この修理サービスは、1988年のソウル大会から今年のパリ大会で17回目となる。パリ大会では、世界41カ国の社員164名がパリの選手村に集結し、1日200件以上の修理を行った。

HEROs AWARD 2024授賞式で紹介映像として流されたオットーボック社の取り組み。今年のパリ大会では総勢1667人の選手を支えた(撮影:越智貴雄)

オットーボック・ジャパンの深谷香奈代表取締役社長は、受賞のスピーチで、「スポーツ用の義足は、日本では(国から)支給されることがなく、自分で購入するのが基本です。私の主人も中学生の時に脚を切断をしましたが、(スポーツ用の義足がなかったため)体育の授業ではずっと座って見ていたと話していました。このような事が少しでも改善し、支給体制の整備や、私たち一人ひとりの力でスポーツをする機会を広げられる社会になればと願っています。本日この場を通じて、少しでも多くの方に現状を知っていただけたら嬉しいです。このような機会を頂き、本当にありがとうございます」と支援活動への熱い思いを語った。

同社の取り組みは、義足ユーザーがスポーツを通じて新たな挑戦に踏み出すきっかけを作り、共生社会の実現を目指すものとして社会的意義を示している。

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