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水泳のリオパラ日本代表候補19選手決定!

派遣標準記録突破してリオ内定が決まった選手5名(上段左から)山田、木村、小山、中村、(下段左から)鈴木、成田(撮影:越智貴雄)

派遣標準記録突破してリオ内定が決まった選手5名(上段左から)山田、木村、小山、中村、(下段左から)鈴木、成田(撮影:越智貴雄)

 6日、富士水泳場(静岡県)では、リオデジャネイロパラリンピックの選考会を兼ねた「春季静岡水泳記録会」が開催された。男子4名、女子1名の計5名が派遣標準記録を突破し、自らの力で日本代表候補を決めた。さらに、本大会の記録を基に、選考規定に基づいて選考された13名が加えられ、昨年の世界選手権の2種目で優勝し、すでに代表候補を決めていた木村敬一(東京ガス)を含めて、男子12名、女子7名の計19名がリオへの切符をつかんだ。

女子自由形50m(S5クラス)で派遣標準記録を突破し笑顔の成田真由美(撮影:越智貴雄)

女子自由形50m(S5クラス)で派遣標準記録を突破し笑顔の成田真由美(撮影:越智貴雄)

 「不安やプレッシャーはなく、ワクワクして早く泳ぎたいという気持ちでいっぱいだった」

 さすがは日本女子におけるパラ水泳の第一人者、成田真由美(横浜サクラ)だ。アトランタから北京まで4大会連続出場で合計20個のメダルを獲得し、北京以降、一度は第一線から退いたが、2014年に選手復帰。5大会目となるパラリンピックを目指して臨んだ今大会、「泳ぎ込んできたという自信があった」という言葉からも、しっかりとピークを合わせてきたことがうかがえた。その言葉通り、午前の50m背泳ぎでは派遣標準記録にわずか0.02秒届かなかったものの、自身が持つ日本記録を更新。そして、午後の50m自由形ではきっちりと派遣標準記録を突破し、リオ行きを決めた。
「(リオでは)『成田真由美』らしい力強い泳ぎを見せたい」
元世界女王が、パラリンピックの地にカムバックする。

男子150m個人メドレー(SM4クラス)鈴木孝幸の泳ぎ(撮影:越智貴雄)

男子150m個人メドレー(SM4クラス)鈴木孝幸の泳ぎ(撮影:越智貴雄)

 本大会で日本代表候補の第一号となったのは、過去パラリンピックで5個のメダルを獲得している鈴木孝幸(GOLDWIN)。2013年から練習拠点を英国に移し、新しい環境のもとで、刺激を受けながら泳ぎを磨いてきた鈴木。この日、1種目目の50m平泳ぎでは自己ベストには及ばなかったもの、派遣標準記録を3秒以上上回る好タイムをマーク。さらに150m個人メドレーでも派遣標準記録を突破し、自身4度目となるパラリンピック出場を決めた。4年前のロンドンパラリンピックは、泳ぎを改善している途中の段階でむかえてしまい、あまり調子が良くなかったという。しかし、今回は調子が上向いていることを実感しており、非常にポジティブな気持ちでパラリンピックシーズンを迎えられている。まだまだ伸びしろも感じており、今後はさらに調子を上げ、リオでは全力を出し切るとともに、4年前にできなかった「楽しむ」ことが目標だ。

男子自由形100m(SB7)山田拓朗 のスタート(撮影:越智貴雄)

男子自由形100m(SB7)山田拓朗 のスタート(撮影:越智貴雄)

 山田拓朗(NTTドコモ)もエントリーした2種目(50m、100m自由形)で派遣標準記録を突破し、日本パラリンピック史上最年少の13歳で出場したアテネパラリンピック以来4大会連続出場を決めた。それでも結果は満足がいくものではなかったようだ。特に得意の50m自由形では狙っていた25秒台が出なかったことに悔しさをにじませていた。要因は、息継ぎの回数を減らしたことによるものだった。これまで50mで息継ぎを2回していた山田だが、今回実戦では初めて1回にし、25秒台を狙いにいった。だが、その影響で最後のタッチが合わず、ロスが生じたのだ。「致命的なミスをしてしまったが、これがある意味、選考会で良かった」と山田。本番のパラリンピックでは、ノーミスで自身初のメダル獲得を目指す。

男子100m自由形(S11)木村敬一(撮影:越智貴雄)

男子100m自由形(S11)木村敬一(撮影:越智貴雄)

 一方、昨年の世界選手権で2冠を達成し、すでに日本代表候補を決めていた木村敬一(東京ガス)は、全3種目で派遣標準記録を上回り、そのうち100m自由形、100mバタフライの2種目で日本新記録をマークした。
「(リオの)目標はあくまでも金メダル」と語った木村。彼の言葉からも、リオに向けて、調子を上げてきている様子がうかがえた。

 今回、初めて一発勝負というスタイルで行われた選考会。中堅、ベテラン勢は、既にリオを見据えたレベルの高い泳ぎを見せ、順当に派遣標準記録を突破。本番での活躍に大きな期待が寄せられた。一方、パラリンピック初出場を目指した若手に派遣標準記録を突破した選手がひとりも現れなかったことも事実だ。

 パラリンピックまで、残り半年。この期間、いかに充実した時間を過ごし、しっかりと本番に向けて心身ともに準備をすることができるかがカギを握る。いよいよ、リオへのスタートが切られた――。

(文・斎藤寿子)

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