革新の車いすで世界に挑んだ!大阪電気通信大、サイバスロン2024で栄光の3位
障害のあるパイロット(競技者)とエンジニアがチームを組み競い合う国際大会「サイバスロン2024」(大会3日目・最終日)が27日、スイス・チューリッヒのスイスアリーナで開催された。
大阪電気通信大学工学部を中心とするチーム「OECU&R-Techs」は、電動車いすレースの決勝に出場。課題となる10個のタスク中6個をクリアし、3位に輝いた。さらに、革新性・有用性・汎用性に優れた車いすを制作したチームに贈られる「ジュリー賞」をも受賞する快挙を達成した。
「OECU&R-Techs」はアジア唯一の電動車いすレース出場チーム。前回2020年大会で慶應大学理工学部のチームが3位入賞して以来、日本のチームが2大会連続で表彰台に上がった。今大会の1位はカナダのブリティッシュコロンビア大学で10課題を全てクリア、2位はスイスの東スイス科学大学で8課題をクリアした。
レース後、OECU&R-Techsのパイロット・小倉俊紀さんは「めっちゃ嬉しいです。昨日の予選は苦戦しましたが、決勝では良い緊張感で臨み、3位入賞できたことが本当にうれしいです。チームのみんなと共にサイバスロンに参加できてよかった」と喜びを語った。
チームを率いた大阪電気通信大学工学部の鄭聖熹(ヂョン・ソンヒ)教授は「ベストなタイムでレースを進めることができ、この結果はチーム全員の努力の賜物です。スイスでの大会参加が実現してよかった」と話した。
昨年10月からチームに参加し、車いすの座面開発に取り組んできた工学部4年生の弓指咲英さんは「パイロットに安心感を与えるため、座面の傾斜を開発してきたものでしたが、結果的に複数の課題で効果が発揮できて良かったです」と笑顔で振り返った。
視覚支援レースに参加した和歌山大学のチーム「W-Visions」は、決勝に進出したものの、メダル獲得はならなかった。
取材・文:越智貴雄