男子400mで山田真樹が優勝!「2025年の東京デフリンピックを通して、日本の社会でろうの理解を広めたい」【日本デフ陸上競技選手権大会】
「日本デフ陸上競技選手権大会」兼「2023 World Games of Deaf Athletics Teams」の大会2日目が4日、駒沢オリンピック公園陸上競技場で行われた。
海外からも14カ国24名の選手が参加。今大会は国内初のデフ陸上国際大会となり、2025年に東京で開催されるデフリンピックを見据えた大会として行われた。
午後に行われた男子400メートル決勝で、48秒60の大会新で優勝した山田真樹(渕上ファインズ)は、「厳しい戦いになると思っていました。実際、ゴールまでは勝てるかどうかわからないレースでしたが、山田というプライドがどうしても(1位は)譲れなかった。それが最後まで走りきることにつながったと思います。2025年に東京で開催されるデフリンピックを通して、日本の社会でろうの理解を広めたい」と話した。
大会は5日まで。
選手自作の観戦ガイドが話題に
デフリンピックはパラリンピックには含まれておらず、聴覚障害のある選手にとっては、4年に一度開催されるデフリンピックこそが最大の舞台となる。そのデフリンピックの夏季大会が2025年に東京で初開催される。夏季大会は1924年にフランス・パリで初めて開催され、2025年東京大会は1世紀を迎える記念大会となる。
その東京デフリンピックを少しでも盛り上げようと奮闘するのが、2017年トルコ大会の陸上で金メダルを獲得した山田真樹だ。
東京大会での金メダル獲得を目指す山田は、普段からイベント出演等で大会の周知活動を積極的に行っており、今大会の告知PR動画にも出演している。出演をオファーしたデフ陸上関係者は、「世界にも通用するデフ陸上の顔」と、誇らしげに話す。
その山田が今大会に向けて特別に用意したものもあった。それは、初めてデフ陸上を観戦する人たちに少しでも楽しんでもらおうと、用意した自作の観戦ガイドだ。「エンターティーメントの一つとして楽しんでもらいたい思いから作った冊子ですが、完全に山田目線で見た選手や競技の魅力をまとめています」とのこと。会場の販売ブースにて1冊500円で販売されており、制作費を除いた売り上げの全額が日本デフ陸上競技協会に寄付される。限定500部。
文:越智貴雄